京都府 宇治市教育委員会

文教・教育

京都府の南端近くに位置し、世界遺産の平等院など当時の文化を今に伝える史跡や建造物が数多く残り、また、宇治茶と源氏物語ゆかりの地として知られている歴史のまち宇治市。京阪神地区の住宅都市として発展し、教育と生活の向上に力を入れている。小中一貫教育について研究、協議を進めるなど、義務教育の質の向上についても先進的な取組みを行なっている。

〒611-8501 京都府宇治市宇治琵琶33

無線LAN統合管理システムで宇治市内31校に無線LAN環境を整備普通教室での
ICT利用を実現

宇治市は文部科学省が実施する学校ICT環境整備事業を活用し、市内小中学校のICT環境改善を行なった。中心となったのは各教室への大画面マルチメディアモニタの設置と、各学校への無線LAN環境の構築だ。普通教室でのICT利用を可能にした新たなネットワーク基盤では、セキュリティと利便性の双方を確保するため、D-Linkの無線LANアクセスコントローラ、無線APが採用されている。

<POINT>

  1. 構内で自由にネットワークをICT利活用可能な無線LAN環境の整備

  2. リモート管理可能な無線LANアクセスコントロールでセキュリティを確保

  3. 無線APに認証情報を残さず万一の盗難でもセキュリティリスクゼロ

学校授業でのICT利活用を広めるため普通教室を含めたICT環境構築へ

宇治市内の市立小中学校ではPCやインターネットを活用した授業が以前から行われていたが、インターネットを使える環境はPC教室と職員室に限られていた。宇治市教育委員会 学校教育課の主査、森田 悟氏はその状況を次のように語る。
「PC教室の利用は活発で、インターネットを使って何かを調べ、PCでまとめるような授業は多く行われています。しかし、通常の教科でインターネットやPCを使う授業を行なうのは難しい状況でした」
教室のテレビはPC接続に対応していないものもあり、また各教室にはネットワークが引かれていなかった。より手軽にICTを活用できる環境を整えるため、文部科学省が行なう学校ICT整備事業を活用して各教室にマルチメディアモニタを設置することになった。PCを接続できる大画面モニタがあれば、ノートPCを持ち込むだけで授業に利用できる。併せて、各教室へのネットワークインフラも整備されることになった。

無線LANの利便性とセキュリティの両立が課題に

ネットワーク敷設においてポイントとなったのは、建物の改修を伴うLAN工事を市内の小中学校すべてに施すのは予算、工期の面で現実的ではないということ。そしてもうひとつは、教室内で生徒の邪魔にならないことだ。
「教室内にLANケーブルを何本も這わせるのは現実的ではないでしょう。発表などで立ち上がった生徒が足を引っかけ、PCの破損や怪我につながりかねません」
教育改革推進室 教育指導課の指導主事、中井良幸氏は学校ならではの問題をそう語った。
そこで採用されたのは、全校舎に無線LANを設置する手法だった。建物の改修を最低限に抑える手法として同軸モデムの利用も検討されたが、施設の老朽化が進んでおり高い通信速度は望めない。また同軸モデムと無線LANの組み合わせで教室内のみを無線化した場合、末端となるAPがセキュリティリスクになる。
「宇治市はネットワークセキュリティには特に気を使っており、無線LAN化自体にも懸念を示していました。D-Linkの無線LAN統合管理システムを紹介し、セキュリティについてご理解いただけたのが実現した無線化です」
構築に携わった京都電子計算 ネットワーク開発部の山下 佳士氏は、セキュリティの要である無線LAN統合管理システムを指してそう語った。いくつかの類似製品を検討し、入札を経て採用されたのはD-Linkの無線LANアクセスコントローラDWS-3024Lと無線AP DWL-3500APからなる無線LAN統合管理システムだ。ネットワークへ接続できるPCを限定でき、各学校に設置された機器を市役所本庁からリモートで管理可能。認証情報も本庁にあり、各学校に設置された無線APはそれを参照する。無線APの電源がオフになると認証情報も消えるので、万一無線APが盗難にあってもセキュリティリスクにはならない。これらの機能を満足していた上、無線AP DWL-3500APは本体コストにリミテッドライフタイム保証が含まれているなど、低コストで導入可能な点も大きく評価された。

基盤整備から活用の展開へと着実に歩む宇治市

週末のみを使っての工事となったが、京都電子計算の協力もあり約2 ヵ月で市内31校への展開を終えた。無線LANをPoEで接続し、各フロアには設置されたのはEtherケーブルのみのシンプルな構成としたのも工期短縮に貢献している。
「学校内の広い範囲で手軽にPCを利用できるようになり喜ばれています。使ってこそ意味があるので、今後は活用支援に力を入れていきます」
森田氏の言葉にもある通り、宇治市の取り組みは設備の整備のみにとどまらない。小学校には、ICT教育を支援するICTサポーターも配置し、先生向けの研修会も行われている。また、複数のSSIDを使い分けられる機能を活用してネットワークカメラを設置し、校内の安全性向上に役立てられないかとも検討されている。学校だけにはとどまらず、宇治市地域イントラネット網の活用を考える段階へと、宇治市は着実にステップを進めている。

関連製品

購入前の、製品仕様・お見積もり・
購入方法など
営業的な
お問い合わせについてはこちらから

ページトップに戻る