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独立行政法人 情報通信研究機構 北陸リサーチセンター

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独立行政法人情報通信研究機構は、情報通信分野における日本で唯一の公的研究機関。情報通信技術の向上につながる先進的な研究開発を実施し、機構内の各専門分野の研究者が連携、基盤技術から実用化支援まで一貫した研究開発を推進している。北陸リサーチセンターの整備および「ユビキタスネットワークシミュレーション技術の研究開発」も、そうした取り組みのひとつ。

〒923-1211 石川県能美市旭台2丁目12番地

PC約700台を収容するスイッチ群を1台の機器として管理可能な
スタッカブルスイッチDGS-3427/3450を北陸リサーチセンターが採用

インターネットが一般家庭に浸透し、ネットワークを利用する機器やサービスは増加の一途をたどっている。一方で、リリース前の新技術を実際のインターネット環境で十分に検証できないという課題も残っている。現実のインターネット環境に近い大規模なネットワークシミュレータを構築し、この課題を解決しようと研究、開発を続けているのが、北陸リサーチセンターだ。ネットワークの最先端を知る専門家たちが、D-Link社のスタッカブルスイッチDGS-3427/3450を選択した。

<POINT>

  1. スタック構成により、複数のスイッチを1台のスイッチとして管理できるスタッカブルスイッチを採用

  2. 10Gbpsのアップリンクと多数の1Gbpsインターフェイスを持ち、約700台のPCを効率よく管理

  3. マルチキャストスヌーピングに対応

大規模なネットワーク設備でインターネット環境をシミュレート

インターネットが生活に欠かせないインフラと言われて久しいが、いまだに新たな技術も投入され続けている。そして、新しいサービスや規格の中には、十分な実地検証を行なうことなくリリースされるものが少なくない。実際に数百~数千のクライアントを使い、実際のインターネット上で動作検証を行なうのは非常に困難な上、リスクが大きいためだ。そこで利用されるのが、想定される負荷をプログラムで発生させるシミュレータだ。しかし、小規模なものではなかなか実際のインターネットに近い検証結果を得られない。
北陸リサーチセンターが研究、開発しているのは、新しいサービスやプロトコルの動作を現実のインターネット環境に近い状態で検証できる大規模なネットワークシミュレータだ。センターには700台ものPCが並び、インターネット環境における実際のユーザの動きをシミュレートする。仮想化技術を使えば、数千から数万台のクライアントをシミュレートすることも可能だ。ネット家電やIPテレビ配信の検証などが行なわれており、最先端技術を開発をサポートする基盤的な研究として重要視されている。
2007年2月、ネットワークスイッチを含む設備の一部がリプレースされた。その際、管理側ネットワークのスイッチとして導入されたのがD-Link社のL2プラスギガビット スタッカブルスイッチDGS-3450、DGS-3427だ。

スタック構成が管理負荷低減、整合性確保のキーに

ネットワークスイッチの機種選定において、必須とされた要件がいくつかあった。クライアント向けに1Gbpsのポートを多数持ち、アップリンクには10Gbpsインターフェイスを利用できること、そしてVLAN機能を利用できることなど。特に強く求められていたのは、スタック構成で利用できることだった。700台のPCをすべて収容するほど大規模なスイッチではオーバースペックとなり、小規模なスイッチを多段構成にして利用すれば、管理が煩雑になりかねない。スタック構成で利用できれば、管理側からは1台のスイッチに700台のPCすべてが収容されているように扱える。これは、設定変更が頻繁に行われる実験環境では大きなメリットだと北陸先端科学技術大学院大学の助教授でもある宇田博士は語る。
「設定変更の対象となる機器が増えれば、それだけミスの可能性も大きくなります。設定ミスがあれば、検証そのものの有効性が疑わしくなるため、単純な管理の手間の問題ではすまないのです」
複数の機器が連携して動作するような機種でも管理側の作業負荷は変わらないが、それぞれの機種が正しく整合性を保っているかどうかを確認しなければならない。その点、スタック構成であれば敢然に1台の機器として動作するため、整合性の課題自体が生じないのだ。
マルチキャストされたパケットのスヌーピングが可能な点も評価されている。700台にも及ぶPCに対してファームウェアアップデート、OS、またはソフトウェアを送信する際、データ送信の時間を短縮するためにマルチキャストが利用される。通常、マルチキャストされたデータはネットワーク上の全端末に配信され、不要なデータは端末側で破棄される。これに対してスヌーピング機能を持つスイッチでは、必要なPCにのみパケットを送信するためネットワークの帯域を無駄に消費しないのだ。PC群を複数のグループに分けてそれぞれに別の設定を行なう場合、複数の設定を一度に送信してもスイッチからPCまでのネットワーク帯域をフル活用できるのだ。

SI対応の速さで円滑な検証作業を後押し

機能面以外にもD-Linkを選択した理由があると、北陸リサーチセンターの副総括責任者である丹博士が教えてくれた。それは、想定外の事態に対する対処の早さだという。
「人間が作る製品ですから、100%想定通りに動作する機械というのはあり得ません。まして、実験のために通常では考えないような設定で動作させることも多いので、思う通りに動作しない状況も起こり得ます。D-Linkさんはそうした事態に対するレスポンスが非常に早いのです」
D-Linkでは課題解決のためにエンジニアが直接対応することが少なくない。クライアントからの報告に対応し、バグ修正や機能追加を施したファームウェアをスピーディにリリースしていく。また営業担当者にも技術に明るい人材が多いため、現象を把握するまでの時間が短いのもポイントだ。
「問題が起きても素早く対処してくれる。これは、研究現場から見ても頼もしいパートナーです」
丹博士は、そうインタビューを締めくくってくれた。

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