山形県 天童市(有線LAN)

自治体

遠い昔に天から二人の童子が舞い降りたという言い伝えの残る天童市は、東に蔵王連峰を望み、西に霊峰月山を仰ぐ美しい自然環境を持つ人口約6万2000人の地方公共団体。伝統工芸として国産の95%を占める将棋の駒の生産や、市内の舞鶴山(天童城跡地、舞鶴公園)で開催される天童桜祭りの人間将棋などで知られる。近年はサクランボやシャインマスカットなどの特産フルーツがふるさと納税返礼品の人気ランキングで殿堂入りを果たすなど全国から注目を集めている。

〒994-8510 山形県天童市老野森1-1-1

山形県天童市がD-Linkの10G BASE-Tスイッチを採用
帯域拡大と物理スタック構成による冗長化で
次世代のIT環境を担うネットワーク基盤を構築

山形県天童市では、ネットワーク環境のアクセシビリティ向上と冗長化による信頼性強化を実現するサーバースイッチのリプレースを実施。サーバー類を集約するため、性能とコスト適合性が高度にマッチしたD-Linkの10ギガレイヤ3スタッカブルスイッチ「DXS3400-24TCSI」(以下、DXS-3400-24TC)を採用。さらに冗長性を強化するために2台を物理スタック方式で導入した。10G BASE-T移行によるネットワーク帯域拡大と物理スタック構成による冗長性の実現で、ネットワーク基盤の強靭性も向上すると期待されている。

<POINT>

  1. 10G BASE-Tスイッチへの更改でネットワーク帯域を拡大し業務環境を改善

  2. 物理スタック構成による冗長性強化でネットワーク基盤の強靭性を向上

  3. 災害時にも安定した情報提供が可能な基盤整備で市民サービス向上に期待

▲DXS-3400-24TCSIは、100/1000/10G BASE-Tポート×24/10G SFP+コンボスロット×4を搭載した10ギガスタッカブルスイッチです。トラフィックが益々増大する企業、もしくは高速バックボーンが必要となるデータセンターでの利用を想定しております。また最大4台までのスタック機能に加え(最大帯域幅80G)、リング構成ERPSによる冗長化にも対応。さらにホットスワップAC/DC電源モジュールやファンモジュールなどの実装で高機能で可用性の高い運用が可能です

スイッチを1Gから10Gに広帯域化
ネットワークも冗長化して災害対策

山形県の東部に位置する天童市は、「将棋駒といで湯とフルーツの里」として知られ、面積は県内13市中で最小ながら人口は5番目に多い約6万2000人を有する。その天童市役所では2020年度にサーバースイッチのリプレースを実施した。これは本庁舎および市立公民館や健康センターなどの外部庁舎を含めた約20拠点、PC端末約100台が接続するネットワーク環境のアクセシビリティ向上と信頼性強化を目的としたものである。

天童市 総務部総務課 情報システム係 金村 雄司氏は、「従来の市庁内ICTインフラは、インターネットサーバーやLGWAN(総合行政ネットワーク)系のファイルサーバーなどがシングル構成で管理され、1Gbpsのイーサネットスイッチをハブとして運用していました。今回のプロジェクトでは、それらのサーバー類を集約するとともに、冗長化された10Gスイッチにリプレースすることで、高速化によるアクセス性の向上とシングルポイント障害となるネットワークリスク改善の両立を目指しました」と語る。

このプロジェクトのポイントは大きく2つある。1つは、従来の1Gスイッチを10Gスイッチへ強化すること。その契機となったのは、庁舎内のサーバーの集約化だった。集約化によってトラフィックが集中するとサーバーアクセスができなくなり、業務の継続が困難になる可能性も出てきたという。「現在のところ大きな不便さは出ていませんが、将来を考えると帯域の拡張は必要だと判断しました。トラフィック集中への対応として1Gから10Gに帯域を増強することで、庁舎内のサーバーアクセスや外部とのインターネット通信、住民へのWebサービスなど、通信の高速化や安定化に寄与できると考えました」(金村氏)

そしてもう1つは、ネットワークの冗長化だ。スイッチが1台で稼働する従来の構成では、万が一スイッチが故障してしまうと、ファイルサーバーへのアクセスや、外部へのインターネット通信などが継続できなくなるシングルポイント障害が発生してしまう。そのため、ネットワークスイッチの冗長構成は必須となる。

金村氏は言う。「自然災害の少ない天童市でも、近年は一部で集中豪雨による浸水被害も発生するなど、市民に被害の現況や避難所の情報を市のホームページ経由で提供する機会が増えました。市民病院のホームページにもリンクしているため、万一、市役所のネットワークに支障が出た場合は、市民の安全確保にも大きな影響が発生してしまいます。高速の10Gに対応し、スタック冗長も可能なスイッチに切り替えることで、災害時のアクセスが集中する場合でも安定したアクセスを可能にするとともに、スイッチの障害時にも通信を止めない耐障害性の高いネットワークを作ることができると考えました」

山形県天童市
総務部総務課情報システム係
金村 雄司 氏

性能・コスト・サポートがマッチ
自信を持ってDXS-3400-24TCを提案

10G BASE-Tスイッチの選定条件には、1)価格優位性のほか、2)物理スタック(複数台のスイッチを仮想的に1台のスイッチとして運用する技術)が可能な冗長性と広帯域化が可能な拡張性、3)20以上のポート数、4)トランク(タグVLAN)運用への対応などが入札要件として公示され、2020年4月に入札を実施。その結果、D-Linkの「DXS-3400-24TC」が採用された。

落札した、D-Link代理店の株式会社ハイテックシステム サイバーセキュリティグループ NOCチーム 鈴木 悠太氏は、「天童市様の要求仕様を満たす条件で、さまざまな製品を検討しましたが、性能、コスト、メーカーからのサポート対応の全てが高度にマッチし、自信を持って提案できたのがDXS-3400-24TCでした。スタック用ケーブルを接続するだけで物理スタック構成が可能な容易性をはじめ、リンクアグリゲーション(複数のLANケーブルを1つの論理リンクとして構成する機能)によるスイッチ間の帯域幅拡大とリンクの冗長性を高める拡張性、シンプルな構成による高度な可用性など、ハイレベルなネットワークが設計でき、運用稼働を劇的に削減することが可能になると考えました」と話す。

DXS-3400-24TCは2021年1月に導入され、2月初旬から本番運用を開始している。

株式会社ハイテックシステム
サイバーセキュリティグループ
NOCチーム
鈴木 悠太 氏

構成の最適化で年間予算を有効活用
スイッチ周りのネットワークを強化

10G BASE-T移行によるネットワーク帯域拡大と物理スタック構成による冗長性の実現で、ネットワーク基盤の強靭性も向上すると、本格稼働を前に金村氏は期待している。「例えば、ウイルス対策ソフトの更新時などには100台近くの端末が一斉にアクセスするため、庁舎内のネットワークが一時的に遅くなることも度々ありました。今後はDXS-3400-24TCが冗長稼働し、帯域も大幅に拡大されるので、業務がよりスムーズに運用できるようになると予測しています。」(金村氏)

それは、年に一度ある停電を伴う法定点検の際も有効に働く。ネットワーク全体の冗長化を行ったことにより、今後は別系統から電源を供給することで、少なくともホームページの閲覧は可能になるという。また万一機器が故障した時も、業務時間中にネットワークが止まったり、システム管理者が夜中から朝方まで作業したりすることも避けられそうだ。

「DXS-3400-24TCの物理スタックは市民サービスの向上にも貢献するでしょう。私たちシステム管理者にとっても余裕を持った運用業務につながるものと確信しています」と金村氏は評価する。

天童市役所では、引き続き利便性が高く可用性のあるネットワークづくり調整を行っていくとともに、2021年度に向けて庁舎内無線LAN環境の整備にも着手する考えだ。ハイテックシステム 営業1グループ 野口 貴行氏は、「天童市様が挑んだサーバーの集約化や、10G BASE-Tスイッチ導入への取り組みは、近隣の市町村でも大きな注目を集めています。今後も最新のD-Link製品を提案することで、天童市様を全力で支援してまいります」と述べる。

そして、金村氏は、「年間予算の範囲でサーバースイッチ周りのネットワーク環境を大幅に強化できたことは、D-Link製品の優れた製品力とハイテックシステムの卓越した提案力によるところが大きいと実感しています。また来年度に向けて最新の情報提供をいただけるよう期待しています」と語る。

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